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Friederici クラヴィコードの謎

執筆者の写真: yasushi-takahashiyasushi-takahashi

更新日:2024年7月20日

Christian Gottfried Friederici の現存する2台のクラヴィコード、1台はライプツィヒの1765年作、もう1台はパリの1773年作、の底板と直交して鍵盤下に取り付けられている2本の横木の意味を考えていた

Christian Gottfried Friederci 1773 @Musée de la musique, Paris, Photo by Thierry Ollivier

この部分には補強の意味はあまりないこと、仮に補強ならケース手前まで届かせるはずなのに25mmほど空いていること、木釘が底板に浅くしか刺さっていないこと、が謎だった

Friederici 1765 の図面の部分
この図面が正確だとすると強度を増すためには木釘が短い

いずれ Friederici は作りたいので折に触れてこの横木の意味を考えていたのだが、ある日ふと浮かんだのはこれはキーのバランスレールの位置決めのための部材なのではないかということ


クラヴィコードはバランスレールも弦の張力を支える構造材として機能するので断面積の大きい頑丈な部材底板に接着する


製作時には1枚板の状態の鍵盤とバランスレールを固定しておいてバランスピンの穴をあけるのだが、チェンバロのように鍵盤を引き出せないので楽器本体に収納めた状態で穴あけの作業をしなければならない


小型のクラヴィコードはその作業もさほど難しくはないのだが、大型のものは重量もあるので一苦労


この横木が位置決めの部材なら、鍵盤とバランスレールだけの状態で穴あけ作業をしてから本体に設置することが可能になる


製作中のクラヴィコード

個人蔵の無銘の楽器、いくつかの明瞭な特徴からおそらく1790年代半ば頃の Christoph Friedrich Schmahl 作と推定、を元にしたもの、で仮説を検証している

いつもならバランスレールの加工が終わったら底板に接着するのだが今回は接着せず、鍵盤を載せて位置を合わせたら取り出してバランスピン(それとガイドピン)の穴あけをして、それから接着する


位置決めの部材との噛み合わせの加工にけっこう手間がかかったけれど、大型のクラヴィコードではなんらかの方法で本体とは別で作業をする方が理にかなっているように思う

 
 
 

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