top of page
検索

私のAltec歴

  • 執筆者の写真: yasushi-takahashi
    yasushi-takahashi
  • 2020年1月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:1月22日

振り返ると、最初の出会いは20代半ば、大阪の小さなショップで偏屈な親爺さんの作った20cmフルレンジのスピーカーを買って、そのユニットがAltec 403Aだった。

その数年後に友人のところでA7を聴いた。300Bで鳴らしていてカザルスの弾くバッハの組曲6番の迫力に圧倒された。


403Aは20年ほど聴いただろうか。低音も高音も出なかったが中音はそれなりに充実していてこれでイヴ・モンタンをよく聴いた。

そのうち片方のユニットから音が出なくなったので中古の409-8Eを手に入れて入れ替えた。


この頃からもっと「いい音」で聴きたい欲求が強くなって、そんな時に友人がフロントホーンウーファーボックス816Bを貸してくれたので、手元にあったエレクトーンの補修用ウーファーを納めてその上に409-8Eを載せて聴いたりした。409-8Eを平面バッフルに付けてさらにダブルにしてみたりといろいろ遊んだけれど、このユニットは残念ながら満足の行く音は出してくれなかった。


Model 19との出会いは2013年頃だったと思う。憧れのAltecのホーンは片方の音が出ない状態でやって来た。ダイアフラムのリードの断線だった。ネットでロボットワイヤーと言う極細のより線で修理した人がいることを知って、同じ断面積になるように髪の毛より細い銅線を数えて束ね、ハンダ付をして修理した。

ただこのスピーカーは期待していた張り出すような音は出してくれず、結局ネットワークを自作のものと交換してなんとか納得の行く音になった。


416-8Bの低音はやや物足りなかったもののA5を聴かなければModel 19で満足していたかもしれない。そんな時にたまたま出会った古い友人がA5があるよと甘い囁きww

515Cの低音は416-8Bになかった緊張感と実体感を漲らせていて、Model 19を手放せばなんとかなりそうな様子だったのでこの話に飛びついた。


と振り返るとかれこれ40年のAltecとの付き合いになる。


いわゆるHigh fidelityというより実在感、実体感のある Altec の鳴りっぷりは上質な蓄音機の音に通じるものがある。

これはじつは不思議でもなんでもなくて、蓄音機のサウンドボックスやホーンにはベル研究所の音響理論と技術が活かされていて、それを元にした製品の製造販売権を持っていたのがかのWestern Electric 、さらにその後WEの保守サービス部門を引き継いで出発したのが All Technical Products つまり Altec という流れ。

くるっと巻いた WE の16Aなどのホーンと蓄音機の銘機クレデンザのケースの中のホーンはよく似ているがこれはどちらもベル研究所のエクスポーネンシャルホーンの理論に基づいているし、コンプレッションドライバーとサウンドボックスのダイアフラムはやはりベル研究所で開発されたタンジェンシャルエッジを採用している。

出自からして蓄音機のホーンはスピーカーのホーンと、蓄音機のサウンドボックスはスピーカーのコンプレッションドライバーと兄弟といってもいいのだから、鳴り方が似ているのは当然なのだ。

Comments


© 2019 Yasushi Takahashi created with Wix.com

bottom of page